ギリシア内閣信任の後

ブルームバーグに、ギリシア内閣信任についての記事があった。
信任されて終わりではない ようである。
 

ギリシャ内閣信任、焦点は財政案採決に-7月融資に向け来週正念場

6月22日(ブルームバーグ):ギリシャパパンドレウ首相は、改造内閣への信任を議会で勝ち取った。
財政再建に向けた措置について議会に承認させ、欧州連合(EU)と国際通貨基金IMF)からの金融支援を確保するため、一歩前進した。
 
  22日早朝に行われた内閣信任投票では、
議員総数300の議会で155議員が新内閣を支持、不信任は143票だった。
 
  首相は先週、与党・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)内の造反に見舞われ
内閣改造を断行、議会に信任を問うた。
 
信任投票後に警察は、歳出削減計画への抗議に繰り出した市民らに対し催涙ガスなどの使用を余儀なくされた。
 
  焦点は、首相が来週の採決で780億ユーロ(約9兆円)規模の財政再建パッケージを議会通過させられるかどうかに移った。
 
欧州の財務相らは赤字削減、資産売却、増税の措置が議会で承認されるまでは7月に予定されている120億ユーロの融資を実行しない考えを示している。
 
  HSBCホールディングスの欧州チーフエコノミスト、ジャネット・ヘンリー氏は22日の投資家向け文書で
ギリシャ政府の勝利を受けて、当社はギリシャが7月の120億ユーロの融資と救済プログラムの2014年までの延長を得ると考えている」とした上で、
 
「次はEUが向こう12カ月について、ギリシャの市場調達が無理だと思われることから生じる資金ギャップを埋める具体的な保証を提示することが求められる。それがあって初めて、IMFは次回融資の実行に同意するだろう」と分析した。
 
             2本の法案
  EUの行政執行機関、欧州委員会バローゾ委員長は、ギリシャの新内閣信任は「既に極めて困難な状況の中で不確実さを1つ取り除いた」とし、「ギリシャとEU全体にとって朗報だ」との声明を出した。
 
  クリストドゥラキスギリシャ財務相ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「財政緊縮策の承認はこれで問題なく進むだろう」と楽観的な見方を示したが、最大野党・新民主主義党のサマラス党首は信任投票前に、パパンドレウ首相の案はギリシャの成長を回復させないため成功しないと主張していた。
 
  パパンドレウ首相閣議を開き、財政5年計画の法案を準備する。ギリシャ政府はEU支援を得るために月内にこれを含め2本の法案を議会で成立させなければならない。
 
  カパ・リサーチがトビマ紙のためにギリシャ国民1208人を対象に実施した世論調査では、47%が新たな緊縮措置に反対し早期の総選挙を求めると回答した。財政パッケージを承認するべきだとの回答は約35%。議会前の抗議行動は連日のものになっている。
 
更新日時: 2011/06/22 19:33 JST