米国、景気と決算ニュース

今晩のNY株の読み筋=米企業11年10-12期決算に注目、好調続くか

18時44分配信 モーニングスター
 FRB米連邦準備制度理事会)は11日、ベージュブック(米地区連銀経済報告書)を公表した。米景気について「ほどほどから緩やかなペースに拡大した」と評価。地区連銀別では7地区が「ほどほどに成長した」とし、ダラスとサンフランシスコが「緩やかに成長」、リッチモンドは「活動が横ばいないし、わずかに改善した」としている。前回ベージュブックと違い落ち込みや回復ペースの鈍化が盛り込まれなかったという点で、明るい内容となった。米国の経済指標は昨秋から明らかに改善しており、ベージュブックもこの点を裏付ける内容と言える。

 マクロ経済に安定感が出てきたことで、次は企業決算に注目が集まりそうだ。米国ではきょうから11年10-12月期決算の発表が本格化する。S&P500ベースの四半期1株利益は09年10-12月期以降前年比で増益に転じ、9四半期連続の増益となる市場見通しが多い。

 SMBC日興証券によると10-12月期のみでは全産業が前年比6.2%の増益、非金融は同6.4%の増益予想。セクター別では素材、通信、公益を除いたセクターが増益となる見通しで、特にエネルギーは原油高を背景に大幅増益になるという。11年通年の予想は前年比15.6%増、12年通年は同9.4%増。

 11年は好調な業績となりそうな米企業だが、欧州債務問題の長期化から世界経済には不透明感が強まっている。輸出企業に追い風だったドル安も、対ユーロでは風向きが変わってきた。こうした状況を踏まえ12年の企業業績を米企業がどう見ているのかは米国株を大きく左右するだけに、この点は注目しておきたい。

 経済指標は12月小売売上高、新規失業保険申請件数、11月企業在庫、10月月次財政収支。0.25%の利下げ予想もあるECB(欧州中央銀行)理事会とドラギECB総裁の記者会見は注目しておきたい。決算は石油大手シェブロン。なお、5日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は、13.02ドル(0.1%)安の1万2449.45ドル、S&P500種株価指数は同0.4ポイント(0.03%)高の1292.48。(宮尾克弥)

<主要企業の11年10-12月期決算発表予定日>
1月12日シェブロン/石油
  13日JPモルガン・チェース/金融
  17日シティグループ/金融
  17日ウェールズ・ファーゴ/金融
  18日ゴールドマン・サックス/金融
  19日バンク・オブ・アメリカ/金融
  19日インテル半導体
  19日アメリカン・エキスプレス/カード
  19日マイクロソフト/ソフトウェア
  20日グーグル/インターネット/検索
  20日IBM/コンピューター
  20日モルガン・スタンレー/金融
  20日ゼネラル・エレクトリック(GE)/総合電機
  24日ヤフー/インターネットメディア
  24日アップル/パソコン
  24日マクドナルド/外食
  24日ベライゾン・コミュニケーションズ/通信
  24日テキサス・インスツルメンツ半導体
  24日デュポン/化学
  24日アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)/半導体
  25日ジョンソン&ジョンソン/医薬品
  25日ユナイテッド・テクノロジーズ/航空
  25日ゼロックス/OA機器
  25日LSI/半導体
  25日ボーイング/航空機
  26日ATT/通信
  26日キャタピラー/建機
  26日スリーエム/日用品
  26日ロッキード・マーティン/航空機
  27日アマゾン・ドット・コム/ネット販売
  27日フォード・モーター/自動車
  27日プロクター&ギャンブル/日用品
  27日モトローラ・ソリューションズ/通信機器
  31日イーライリリー/医薬品
  31日USスチール/鉄鋼
  31日エクソンモービル/石油
  31日ファイザー/医薬品
2月 1日クアルコム/通信機器
   2日ダウケミカル/化学
   2日メルク/医薬品
   4日シスコシステムズ/ネットワーク機器
   7日コカコーラ/飲料
   8日エイボン・プロダクツ/化粧品
  24日アメリカン・インターナショナル・グループ/保険
  24日ゼネラルモーターズ/自動車

 (日付は現地時間)