9/6(木) 夜  ドラギ発言とNY市場

【ニューヨーク時事】
 
6日午前のニューヨーク株式相場は、朝方発表された米雇用関連指標の改善や欧州中央銀行(ECB)による無制限の国債購入措置導入の発表を好感して続伸している。午前10時10分現在、優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比182.84ドル高の1万3230.32ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は同41.00ポイント高の3110.27。

 米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が朝方発表した8月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数が前月比20万1000人増と、市場予想の14万人増を大幅に上回った。
 
また、米労働省が発表した最新週の新規失業保険申請件数は36万5000件と前週から1万2000件減少。市場予想の37万件も下回った。米雇用統計の発表を翌7日に控えて雇用市場の回復基調を示す発表が続いたことから投資意欲が活発化し、相場は買い優勢で始まった。

 さらに、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が定例理事会後の会見で、かねて注目されていた新たなユーロ圏の国債買い入れ措置について対象は満期1~3年の短い期間の国債とし、買い取り額に制限は設けないと発表。ECBの積極的な債務危機対応を好感した買い安心感も相場を後押しした。

 午前10時に発表された8月の米非製造業景況指数(NMI)も53.7と前月から上昇し、相場を支えた。

 ダウ30種銘柄は全面高。金融大手JPモルガン・チェースバンク・オブ・アメリカなど金融株が買われているほか、アルコア、ゼネラル・エレクトリック(GE)などの景気敏感株も堅調となっている。(了)