カツアゲ

昔、中学2年生の時、体調不良で早引きの帰路、カツアゲにあった。
相手は二人、二歳くらい年上だろうか。見知った顔ではなかった。

「おい、カネ貸してくれや、嘘つくなよ、持てるだけ出せ!」で
70円巻き上げられた。パンが二つ買える金である。


ビビった、怖かった。 怖がった自分が情けなかった。
帰宅して、母親に告げ、医者に行って早寝した。

夕飯に起きると父が帰っていて、叱られた
「お前、なんのカンバセあって、70円の金をとられる!お前に70円の金を稼ぐ手立てがあるのか!」
「親がかりのお前が易々と人にわたしてよいカネではない!!」 目を据えて、父は本当に怒っていた。


なるほど、金とはそういうものか。 と分かった。
裏切りの話を書いていて思い出した。

赤字を繰り返すトンズラ社長に 「死んだら生命保険入るから、死んでくれてもいいですよー」 (笑)
と言ったとき、へんな顔をされたのは、金がどういうものか分かってなかったのだろうと、今にして思う。