裏町の小料理屋で聞く、舛添都知事の話など。


大阪の裏通りは、意外な名店が多いが、その例外は 「キタ」
キタの梅田界隈はサラリーマンの街で値段どおりの店ばかりでつまらない。

なかでも骨頂は「北新地」で、、 かつての絵にかいたような接待酒の街から、リタイア・ジジイとニイちゃんの
これみよがしな「名店」通りにかわってしまって、、通いたいような店は少ない。


そんな、キタでもたまに「当たり!」 がある。
季節のものが、手ごろな値段で、「焼いてもいいし、炊いたのもうまいよ、何でもつくるよ。」という店を見つけた。
昨年末ごろから月に何度か通っている。


おのずとそういう店は常連さまばかりで、じゃまにならないように静かに飲んでいる。
秋田のジュンサイを、これが初物だよと辛子と温泉卵を合わせて玻璃の高杯で出してくる。 そんな店である。

鯵の錦(ニシキ)巻、玉子の薄焼きはその場で手早くつくって、しばらくさましてから、海苔で巻く。
焼き場の上には、稚鮎がメザシになってぶら下がっていて、これがまた軽くあぶると ほろニガくて旨い。 (笑)


常連さんのモリあがってるあいだは、オレはしゃべらない。
季節のモノを幾つか頼んで、静かに飲んでいる。ビール2杯と焼酎のお湯割りひとつ、あるいはふたつで帰る。


そのあいだ、常連のオジいさん達の話を聞いているが、、、
先週と今週は、必ず 「舛添はバカ!」の話が出る。 (笑)


人としてどうの、あまりにミミッちい、、、というような話で
70歳になってするべきテレビの受け売りでもなかろうと思いながら、水を向けられれば
「ほんとうにそうですねー」 と相槌を打つ。


相槌を打たれると、お爺さんたちは満面の笑みで嬉しそうに、盃を口にはこばれる。




都知事選で「舛添」と決まったとき、「ああ、こういうふうに廃品(マスゾエ)利用するんだ。これが次の生贄か。」と
政治的な人選の 「妙」 にうなった!

前の猪瀬さんもそうだったが、政治日程の中で、国政で悪役を作るのが難しい時に
都知事で、「越後屋、お前も悪よのう。(笑)」 みたいな配役違いの悪役を作るのが常道であるようだ。



東京都知事と言えば、アテネ護民官にも等しわけで、、、慎太郎やマスゾエがなるべき役職ではない


その連中がやってる時点で、Bラインの政治ショーである。


テレビでそのショーを観て、舛添先生の品性について慷慨し、正論を小料理屋で開陳する70歳。



「老人を大切にしない社会は滅びる。」
「いまいるのはタダの年寄であって老人ではない。」
「『老』は知恵があることを含意しているが、いまハビこっているのは、なんの知恵もないタダの年寄である。」

とわが師匠・山本夏彦がイジワルを書いていたのはもう30年以上前である。



旨い季節の料理を3品ほど食いながら、戦後っ子の老人が、テレビを悲憤慷慨するのを静かに聴く。
「間違っとるよ!そう思うでしょ!」とホコを向けられれば、もちろんニッコリわらって、グラスを上げて見せる。


そうすると、オジいさんは 莞爾と、盃を干されるのである。 (笑)



昔、女と小人は養い難いと言った人があったが、ガイダンス次第かなと …思うのである。