伊勢 六段。 息のかかるような、舌先の見えそうな朗読。

伊勢物語 六段。

下のサイトで音声が聴けます。



古いサイトで、ソフト更新で聴けなくなったいたのが、ウイン10で復活。
たぶん大学ゼミの女の子が読んでる。

  いい声。

   …

舌足らずで、つややか
肌さえ香りそうな、吐息さえ匂いそうな臨場感です。


うなじの後れ毛、木綿の下着を持ち上げる
まだ、こどものくせに黒々とした叢の湿りさえも感じるような
せつないまでの、甘やかな響きです。




六段はのちの二条の后を少女時代にイワす話。
二段の年増、四段の 「月やあらぬー  に次いでいい話です。


これにくらべりゃ  カ・キ・ツ・バ・タ  なんか、ただの寝言です。 


  是非ご賞味を、、     成熟する前の女の声です。   





 (Windows Media音声データ)
昔おとこありけり。女のえうまじかりけるを、としをへてよばひわたりけるを、からうじてぬすみいでゝ、いとくらきにきけり。

あくた河といふかはをゐていきければ、くさのうへにをきたりけるつゆを、かれはなにぞとなむおとこにとひける。

ゆくさきおほく、夜もふけにければ、おにある所ともしらで、神さへいといみじうなり、あめもいたうふりければ、あばらなるくらに、女をばおくにをしいれて、おとこ、ゆみ、やなぐひをおひて、とぐちにをり。

はや夜もあけなむと思つゝゐたりけるに、おにはやひとくちにくひてけり。あなやといひけれど、神なるさはぎにえきかざりけり。やうやう夜もあけゆくに、見ればゐてこし女もなし。あしずりをしてなけどもかひなし。


       しらたまかなにぞと人のとひし時つゆとこたへてきえなましものを


これは、二条のきさきの、いとこの女御の御もとに、つかうまつるやうにてゐたまへりけるを、かたちのいとめでたくおはしければ、ぬすみておひていでたりけるを、御せうとほりかはのおとゞ、たらうくにつねの大納言、まだ下らうにて内へまいりたまふに、いみじうなく人あるをきゝつけて、とゞめてとりかへしたまうてけり。

それをかくおにとはいふなり。まだいとわかうて、きさきのたゞにおはしましける時とや。