許されざる者

アキちゃんにイジワルして泣かせた
 
誰もいない晴れた日、空地で蛙を殺した
 
おかあさんに内緒で、広いバス道を渡って遠くの公園に行った
 
駄菓子屋で近所の悪い子供たちが当てものをするのを見ていた
黙って見ていると煎餅を割って少しくれた
 
風呂上りに裸でおどけていて、また風邪をひいた
何度も熱をはかり、病院から帰っると、お母さんが うどんをつくってくれた
せっかく作ってくれたうどんは、気持ち悪くなって半分のこした
 
 
小学校に上がる前から
自分がどんなに罪深いかを知らない子供はいない
自分になど、親からそこまでしてもらうだけの値打はありはしないのである
 
神様は見ている、と言われて恐怖した
 
きっと許されないと思いながら、大人になってしまったのである
いまさら右顧左眄してなんになろう
 
泣いても謝ってももう遅い
天知る、地知る、己知る
 
自分自身がよく知っているのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
では、その神様を殺しに行こう
おまえになど、許してもらわなくって結構だ