永遠の嘘をついてくれ

 
中島みゆき、いいじゃない。
 
♪君よ、永遠のうそをついてくれー
 
嘘つきおばちゃん全開である
永遠の嘘!貴君ら人生のお客様か?
 
めぐるめぐる時代はめぐる♪
別れと出会いをくりかえし
今日は倒れた旅人達も
生まれ変わって歩き出すよ
 
若い日に、この嘘くささを憎んだものだが
あはは、そうかね、まだやってんのかねと
言えるようになって楽になった
 
自己憐憫氷雨のなかで
凍えて震えて濡れぼそる
老いやつれ果てた自分が見える
 
 
 
永遠と言えば、西脇-エテルニタス-順三郎である
伊藤桂司くりんくらんの空である
 
幼い日、
冬晴れの日ざしのなか、空を切り取る団地のコンクリートの打っぱなし
コルビジェのユニテ・ダビタシオンのピロティを模したその造形
重力から自由な浮かび上がるような壁の傾き、その強烈な重量感
それを見下ろし、寒空に小さくちぎれて、光り輝く雲
 
永遠というのはこういうことなのだと思ったのを覚えている
 
なれあってなぐさめあって生きていくのはイヤである
あのとき「永遠」を感じたわたしは、
「永遠」からのまなざしもまた、感じるのである
 
これもまた呪いとよんでかまわないだろう
そしてまた、それでよいと、思っている。