カダフィなき、欧州原油利権

北アフリカでの 今年の一連の民主化運動は 欧米とBRICsの間での
資源確保のせめぎ合いであったようである。
 
チュニジア、エジプト、そしてリビア
リビア利権への助走として考えれば、またその後の地中海世界の再構築として考えれば
慎重にプランされた 大きな流れに集約していくのかもしれない。
 
8月にリビアの石油相がチュニジアに出国
リビアに帰国しないと早々に宣言しているのは、カダフィ後の 実務者を欧州が確保したとも考えられる。
 
下記
産経ニュースから
 
 
 
■石油利権争い活発化
2011.8.25 23:46 資源
 
 【カイロ=佐藤貴生】ロイター通信などによると、カダフィ政権期の石油開発では仏トタルオーストリアのOMVなど欧州勢の活動が目立った。なかでも最大の生産シェアを有していたイタリアのENIは22日、各国企業に先駆けて社員をリビア東部の拠点に派遣、操業再開に向けて損失状況の調査を始めた。フラティニ伊外相は、「施設はイタリア人が建設した。ENIは将来、トップの座を占める」と語った。
 
 ベルルスコーニ首相がカダフィ氏と親しい関係にあったイタリアは今年2月、ベンガジ反政府運動が起きた後、その支持表明に後れを取った経緯がある。
 
 同首相は25日、国民評議会のジブリル暫定首相と会談し、リビアの資産のうち3・5億ユーロ(約390億円)の凍結を解除する用意があると表明した。政権移行後をにらんで友好関係を確保する狙いもありそうだ。
 
 一方、ベンガジに拠点があり、国民評議会が支配する「アラビア湾石油会社」(AGOCO)の幹部は、「伊、仏、英など欧米企業との間には問題はない。が、ロシアや中国、ブラジルなどとは政治的な問題があるかもしれない」と述べ、カダフィ政権寄りの姿勢を示してきた国々とのビジネスがこじれる可能性を示唆した。
 
 ガスプロム・ネフチやタトネフチなどのロシア企業は、10億ドル(約770億円)相当のプロジェクトをリビア国内で展開してきたが、「北大西洋条約機構NATO)がリビアでのビジネス参入を許さないだろうから、私たちの企業はすべてを失う」(露・リビアビジネス評議会)といった悲観論も出ている。
 
 リビアの石油確認埋蔵量(443億バレル)は世界8位だが、日産160万バレルあった石油生産量は5万バレルまで激減した。石油生産が順調に回復するかは、海外資産の凍結解除など国際社会の動向による部分が大きく、不透明な点もある。資金難が続いて復興が遅れれば、新政権への移行プロセスにも影響する可能性がある。