5/31(金) 5月最終日ノーポジ。サマリーのみ①

日本株は反発、米政策変更の懸念後退-不動産やゴム高い
(ブルームバーグ):東京株式相場は反発。低調な経済指標を受け米国の量的金融緩和策の縮小懸念が後退、市場参加者の間でリスク資産投資の動きが戻った。為替の円高一服も好感材料で、不動産や建設、情報・通信といった内需関連株のほか、ゴム製品や精密機器など輸出関連株の一角、水産・農林株などが高い。

TOPIX の終値は前日比1.36ポイント(0.1%)高の1135.78、日経平均株価 は185円51銭(1.4%)高の1万3774円54銭。ただ、午後の取引始後間もなくにはTOPIXが一時マイナス圏に沈むなど、相場の落ち着きどころはなお定まらなかった。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、株価指数先物買いに誘発されて上昇したが、「下値が固まった感じはしない。先物に連動して、現物にもシステマティックな買い注文が入っただけ」と見ていた。企業のファンダメンタルズを評価した買いはほとんど入っておらず、「中身が伴っていない」と言う。

労働省が30日に発表した先週の新規失業保険申請件数は、前週比1万件増の35万4000件。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は34万件だった。米商務省発表の第1四半期の実質GDP改定値は年率で前期比2.4%増、速報値は2.5%増だった。このほか、全米不動産業者協会による4月の中古住宅販売成約指数は前月比0.3%上昇で、エコノミスト調査の予想中央値(1.5%上昇)を下回った。

低調な経済指標を受け、米金融当局が刺激策を維持するとの観測から同日の米S&P500種株価指数 は0.4%高と反発。ストックス欧州600指数も0.4%高と、欧州株も総じて堅調だった。為替市場ではリスク回避に伴う円高圧力が後退し、ドル・円相場は日本時間きょう早朝の100円70-80銭台から、午前10時前には101円28銭まで円安方向に振れ、その後も落ち着いた動きだった。

TOPIX一時下げ、急落反動の色彩強い

日経平均の上げ幅は午前に一時300円を超えたが、その後は伸び悩み。午後には、株価指数先物 への断続的な売りが現物株にも影響を与え、TOPIXが一時マイナス圏に沈むなど相場の不安定さは続いた。

東洋証券の土田祐也ストラテジストは、きょうの相場について「前日急落した反動の色彩が強い」と受け止めている。前日の日経平均は737円安と、ことし2番目の下げ幅を記録していた。

また土田氏は、来週末の米雇用統計が近づくにつれ、投資家の様子見姿勢から「商いは減少傾向をたどるとみられ、先物売買に振らされやすい展開が続く」とも予想した。

きょうは、これまでの下げが大きかった業種、銘柄にリターン・リバーサル狙いの買いが入り、前日に東証1部33業種の下落率上位だった不動産、ゴム製品、サービスがきょうは一転して値上がり率上位。水産・農林、金属製品、繊維製品、建設、情報・通信、銀行、小売を含め20業種が高い。売買代金上位ではソニー、東京建物、ソフトバンク丸栄ファーストリテイリング住友不動産日立製作所ファナックブリヂストンほくほくフィナンシャルグループが上げた。

半面、海運やその他金融、保険、電気・ガス、証券・商品先物取引、輸送用機器など13業種が下落。個別では野村ホールディングス富士重工業、ホンダ、キヤノンオリックス商船三井が安い。

GPIF報道

このほか、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がポートフォリオ戦略の見直しを検討、運用手法の弾力化で相場上昇に伴う株式投資の比率上昇を容認する可能性がある、とロイター通信が30日に報じた。2006年以降で最も大幅な戦略見直しで、早ければ6月にも発表といい、株式需給の改善期待につながった面もある。

東証が30日に発表、日経平均の1万6000円接近と2000年4月以来のの下げ幅と極端な波乱相場を演じた5月4週(20-24日)の投資部門別売買動向によると、年金資金の動向などを映す信託銀行の売越額は4659億円と過去最大に膨らんでいた。

野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、GPIFからの公式な詳細発表を待つ必要があるが、「相場の上昇局面におけるリバランス観点からの機械的な売り圧力減退につながりそう」との見方を示した。

東証1部の売買高は概算で41億5455万株、売買代金は3兆2442億円。騰落銘柄数は上昇1093、下落が537。

更新日時: 2013/05/31 15:43 JST

■東京株式市場・大引け=反発、買い戻しや打診買い 月足は10カ月ぶり陰線
2013年 05月 31日 15:47 JST
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日経平均.N225 TOPIX.TOPX
終値      13774.54 +185.51  終値      1135.78 +1.36
寄り付き    13804.23 寄り付き    1150.48
安値/高値   13681.39─13916.56 安値/高値   1133.04─1156.67
東証出来高(万株) 415455 東証売買代金(億円) 32441.62
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[東京 31日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は反発。米国株高や前日の反動
で主力株を中心に買い戻され、上げ幅は一時300円を超えた。ただし、自律反発の域内
にとどまり、週末・月末の手じまい売りなどに上値を抑えられ、買い一巡後は伸び悩んだ。
テクニカル面では月足が10カ月ぶりに陰線に転じた。

米国株高に加え、鉱工業生産速報など堅調なマクロ指標などが支援材料となり、買い
戻しを中心に幅広い銘柄が買われた。市場では「自律反発的な動きとなったが、米国金融
政策の行方に過剰反応しやすい地合いが続いている。月末絡みのポジション調整的な動き
も出ていた」(東海東京証券機関投資家営業部グループリーダーの太井正人氏)との声
が聞かれた。一服感が出たところでは先物主導の売り物などが重しとなった。

海外からのフローが日本株に再び流入したとの指摘もあり、投資環境は次第に落ち着き
つつある。寄り付き前の外資系証券6社経由の注文状況は売り2420万株に対して買い
3980万株、差し引き1560万株の買い越し観測だった。買いオーダーは日銀異次元
緩和の翌日の4月5日(4230万株)に迫る規模となり「ようやく海外投資家の押し目
買いが入り始めた。これまではボラティリティが大きすぎたが、日経平均は1万4000
円を明確に割り込み、13週移動平均の節目水準にきたことで、打診買いが入り始めた」
岡三証券日本株式戦略グループ長の石黒英之氏)との指摘があった。

テクニカル面では月足が10カ月ぶりに陰線に転じたことで、アベノミクスに伴う期待
感に裏打ちされた株高の第一幕は終わり、第二幕に備える状況との見方も出ていた。

個別銘柄ではソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)が反発。米CNBCテレビが30日、ソニーが娯楽部門
の選択肢について検討するため、米モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)、シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)
と契約を結んだと報じ材料視された。伊藤園(2593.T: 株価, ニュース, レポート)も反発。31日付の日本経済新聞
2014年4月期の連結営業利益が7期ぶりに最高益を更新する見通しと報じたことが材
料となった。先行して調整入りした不動産株は、長期金利の落ち着きを受けて買われた。
東証1部騰落数は、値上がり1093銘柄に対し、値下がりが537銘柄、変わらずが
87銘柄だった。