王族だらけの「ナウシカ」再読。 アカいなあ。(笑)

事務所行かなきゃなーなどと思いながら、家の片づけで疲れて疲れて、ついつい読みだした「ナウシカ」で一日潰す
 
映画もテレビで観たがこのナウシカこのカマトトさえ走り回らなきゃいい映画なんだがと思った。
きょう久方ぶりに再読して漫画も同じ、カマトトぶりが鼻につくが、途中で描けなくなって連載中断後、ナウシカ巨神兵連れて人殺しに行くと決意したあたりから、宮崎駿のその年なりの人生観ダダ漏れで好ましいなあと思った。
 
左翼漫画として読めば、腐海を含む世界システム共産主義でシュワの墓所共産党なのかな?
誠実と優しさの権化ナウシカ宮崎駿共産主義と自分のサヨク信条とをどう折り合いをつけるかの話として読めば面白い。
そういえば、紅のブタの飛行艇も、堀越二郎の九試も左旋回で飛んで積乱雲の向こうに消えるのである。
宮崎駿は自分が左であることを夢寐(むび)にも忘れない。
 
物語の終盤で繰り返し、国民の幸せを願う統治者の失望が語られる。
庶民が大嫌いな宮崎駿の正直な気持ちだろう。
 
ナウシカクシャナ、アスベル、チクク、皇弟、皇兄、ヴ王、、、主要人物が皇帝や王族ばかりである。
出てくる虫の主人公まで「王」蟲。。(笑)
ユパ、ミト、クロトワ、チャルカなど平民出身は、ドタバタ現場で戦ってばかりである。
 
この作品もまた、選ばれてある自分・宮崎駿が愚民どもの世話に苦労する話である。
 
そして、そういうのって嘘っぱちだけど尊いよねオレは好きだ、という開き直りで終わっている。
つくづく名作である。
 
 
ナウシカもカマトトではなく、宮崎駿の「少女らしさ」や「母性」に対する敬意と侮蔑と見れば
…別の作品になるなあ。(笑)