人を遣う、礼を言う、その先。


先ほど、海軍の貸し借りで、菰かぶりの酒を送る話を書いたが、
お礼を言う時は、礼を言うその先を考えて 「お礼」しなくてはならない。

これは、お礼だけではなく お詫びも同じ。 両者の構造はそうかわらない。




・世話になったときは 「本当にありがとうございます」と言う。

・相手が自分の 「カオ」、つまり自分の人間関係を使ってくれた時は、一席設ける。
 あるいは、それに代わる謝意を伝える。


・ものを教えてもらったときは、はっきり 「勉強になりました。」 と言う。
 間違っても、エラそうに 「参考になりました。」 「参考にします。」 と言ってはならない。
 お教えいただいて、世話になったのは自分だ。 参考などとエラそうに言える立場ではないのでである。
 
・ものを教えて下さる方は、自分の人生をかけてお教え下さるのである。



お礼やお詫びをする相手の先には、その先の人間関係がある。

その人間関係への敬意を払うことを、、、払うことを、、ムスメどもには憶えてほしいと思う。




お世話になったら

・目上の方には、言葉だけでお礼を言う、、あるいは あまり大層でないものを添える。
 必要以上の「お礼」は 「借りを返す!」の意味になるのでかえってナマイキで失礼である。

・同じ意味で、同輩には言葉だけ、あるいは 「すまなかった、一杯おごらせてくれ!」 で終わり。



・下目を使ったときは、お駄賃感覚で礼をする。

川端康成は出版社の小僧が原稿を取りに来たときに、かならず自分で手渡したそうだ。
 しかし、駄賃を渡さなかった。。。。

 普通の作家は、そういう雑用は書生にやらせて、そのかわり必ず駄賃を渡したそうで、、、
「川端は世間知らず。」 と、言われていたそうである。

 コワい…



人を使って、使いをたのんで駄賃を渡すシーンは池波正太郎の 「剣客商売」によく出てくる。


施設に入っている母親の見舞いに行くときは、たいてい会社帰りの次女にカステラを買わせる。
2000円少々の領収書を出して来れば、「世話をかけたな。」と3000円渡す。


むかしからそんな感じなので、次女はお父さんの雑用をするのは大好きである。 
我々は 「現金」な連中に取り囲まれているのである。  (笑)