古希の女

   いつのも小料理屋。

、、ああ、この時間に来るんじゃなかった、常連の 「アホ婆」 がいる…



自分のコトを蜿蜒しゃべって、オチがないし、口調に 「節」がついてて疲れるんだよねー



ひとしきりのくだらない 「節」のついた話の後

       「大将の料理には 『愛』があるよねー」、、


とのたまう婆さんと目が合ってしまった。

ああ、大失敗!!




「ね、そうおもうでしょ?」、、、      かんべんしてくれー
オレは自分の小遣いで少し飲んで帰りたいだけなんだ、


      なんで、婆さんの 「『愛』 談義」を…  (涙)




これから、『愛』 を10回も聞かされたら、飲んでる酒がドドメ色になってしまうので
ココロを鬼にして


… 「なんでもカンでも 『愛』 って言っちゃわない方がイイんじゃないですかねー」
と、受けてしまった。


… ああ、バカだろ、オレ!




鉄板アイテム、、 じゃねーわ、鉄板ターム 『愛』 断定 が否定されてババアはすこし混乱したようだったが
結局、自分の語彙が乏しいから クダラないもの言いになってしまっただけで
必ずしも自分が否定されたわけではないことは 納得して下さったようだ。


ああ、やれやれ。





そのあと、古希の話。


    古代 『マレ』 なのよねー


…古代じゃなくて 「古来」と子供のころ聞いたけどね。   言いませんでした。
おかげで 「古代」を6回聞くハメになったけど…


ご本人が、本年 「古希」 70歳になられたようで、「えー、そうは見えませんねー」 と言われたかったようだ。
わかったけど、言わないあたり、、オレも アレだよなー

うーん、女の年齢自慢は 「80歳から」 と若い頃きいたがなー、  前倒しになったんだ、、

  これも、デフレ?



いい人なんだろうけど、  気の若い、見た目も若い、

つまり、年甲斐のない、 お婆さんとの話は、、、疲れる。





酒場にはいろいろな人がいる。

共通してるのは、寂しい人であるという点かな。


オレも、寂しいオッサンとして一人で静かに飲んでいる。
テナシー・ウイリアムズ 「熱いトタン屋根」… じゃないけど、
カチっと音がして、オレの 「夜」のスイッチが入るまで飲んでいる。   じゃましないでくれ。


今日は、終電までに 「カチ」が聞こえて、幸せに帰宅できた。



いっぱい負けてる週末だけど、  ヤな婆さんに遭ったけど、  いい夜だったなー
鮪のヅケ焼き 旨かったなー  野沢菜昆布 旨かったなー   シシャモ食えばよかったなー



 きょうも死なずに終わった。   疲れた。  生きてると疲れる。   (笑)       


      寝よう。   


  海流の中の小さな島に、船を留めて   岸の崖の上の 黄金のライオンの  夢を見よう。