「不倫」  中野信子  文春新書




中野信子氏の本は時々読む。

 「サイコパス」 が名高いようだが

どの本も、読みやすく、力みがなくて、読後感がいい。





いつもの 

猿の「つがい」方

テナガザル = 一夫一妻
ゴリラ = ハーレム
チンパンジー = 乱婚


の話や、


脳内の伝達物質のレセプターを外的にいじると
一夫一妻系・ネズミ型哺乳類の婚姻関係が変わる話など面白い。




人類も地域によって 「不倫率」に有意の差があって

繁殖に有利な行動型式の遺伝形質を持つグループが

繁殖しやすかった結果だろうというのは

非常に分かりやすい話である。





今般、本邦では

不倫報道と

それに対するバッシングの増えている背景の考察も面白い。





対人的な、 愛着形成の 「差」

日本人に強く表れる 「同調圧力」 と 「ネトウヨ」 の話は

反対方向の 「アベ叩き」 などについても

連想出来て楽しい。




恋愛 → 結婚 → 生殖

が、「イデオロギー」 に過ぎず

生殖しないからこそ 

恋愛は美しく


BL は 生殖しないという 「記号」 である

という指摘の紹介は面白く読んだ。





愛着スタイルの 3パターン

「安定型」
「回避型」
「不安型」

から始まる 

86ページからの 20ページほどは
非常に面白い。 


遺伝子どうりにある性質が発現するわけではない

環境が遺伝子のスイッチを押す場合もある

というのは

その通りだろうなあと思う。



同じ楽譜でも演奏者が違えば別の曲というのは

よく分かる。





次女と待ち合わせの本屋でみかけたとき

「不倫ってなんなんですかね、、意味不明、、」 というので

「いや、チンパン系は乱婚だよ。」

「 … おお!」


という やりとりを思い出して買った本だが

おもしろかった。



なんだったっけ部下指導の時

サザンのコンサートと同じ曲でも
けっこう上手いオレのコンサートに
たとえ半額でも払うの嫌だろ!

イメージ消費の部分はあるんだよ!


という話もしたなあー




ものごとの現れには

さまざまな伏流水があると思う。