「信長はなぜ葬られたのか」 ②  安部龍太郎  幻冬舎新書


 「信長はなぜ葬られたのか」   安部龍太郎  幻冬舎新書

   読了



本の後半の

戦国時代に猖獗を極めた
これまた 面白い。



戦国大名高山右近がクリスチャンなのは知っていたが
伊達政宗イスパニアととの同盟を考えていたのはまあいいとして

豊臣家中クリスチャンだらけ。


 … そういえば 漫画 「へうげもの」 の豊臣家中は 

   フェルメールが京都に来た時の展覧会で見た絵のような
   ひらひらのついた服装である。




おまけに 右近や豊臣だけではなく

家康の六男・松平忠輝とその附家老・大久保長安
果ては豊臣の出戻り千姫まで

徳川家中もクリスチャンだらけである。




大阪冬夏の陣が
実際はクリスチャン潰しなのではないかともあって
納得のいくはなしだと思う。




欧州の16-8世紀の殺し合いはウエストファリア以降も宗教戦争である。
ローマが心の帝国だからである。



「いま払え、死んだら返してやる。」というのは


神の国の独占代理店ローマの
10世紀ころの発明らしいが

これをやられると
野蛮な北海バルチックエリアまで
ローマの軍門に下るのである。



それから数百年経って
金が出来てからやっと

スイスやドイツなど変質狂エリアに
ホントにやっと
プロテストの皆さまが生まれるわけで

…  一神教は怖い。





中部東海の三英傑

信長秀吉家康なかりせば


本邦も大英帝国のように

九州はイエズス会
四国紀州はフランシスコ・真言宗
中国近畿は聖公会大谷派
北陸中部関東は本願寺・カルバン派
関東はカルバン派のふりをしたユダヤ教

…東北はビサンツ・ロシア正教会など


複雑な連合王国になっていたかもしれない。




本書では

フロイスだったけが
浄土真宗カトリックの類似性に驚いて
本願寺を潰さなければ布教できないと
報告しているのも

はじめての知見であった。




そのほか

景教ネストリウス派
蘇我時代に秦氏によって
本邦に伝えられ

厩殿王子や蘇我馬子という
名前を生んだのではないかと
いうのも、よかった。


すっかり忘れていたが
聖徳太子の「厩」が

キリスト誕生を下書きにしているとは
学生のころ読んだことがある。




そうおもって読むと
馬子だけじゃなく


蘇我稲目 は   トウメ=トマス
   蝦夷 は   エミシ=エヴァ
   入鹿 は   イルカ=聖・ルカ
 


かもなー (笑)





「大秦」 =チャイナのローマ帝国表記と

太秦」 映画村のある 京都「うずまさ」 

秦氏の里は、同一語源かもしれないという


指摘も正しいと思う。



秦氏の里、高麗・北朝鮮と西域は
陸路ローマまで

草原の道でつながっていたそうだ。




安倍龍太郎は知らない作家だったが
おもしろかった。


小説も読んでみよう。