人生にゴールはない。途中で死ぬし、終わっても死なない。


  人生にゴールはない





  一生懸命やってるのに   …途中でいきなり終わる


   30台後半くらいからかな

   40過ぎの先輩の  いきなりの訃報が届く

   10年おきくらいに 訃報のウエイブがやって来る




   通夜で 憔悴しきった奥さん

   疲れて寝入ってしまった娘をひざに

   呆然と虚空を見つめる奥さんに


   かけるべき言葉もない  …






   年に数回

   徒歩30分ほどの

   母の入っている施設に行く



   正月と  母の誕生日と  3種類の保険証を 届けるのだ



   ぐ・ん・か・ん  … 君やな

   あんた ちゃんと食べてるか?




   オレの幼少時と 

   二十歳の頃、小学校教師として奉職していた

   誇らしい楽しい記憶と


   戦中のひもじさ、 戦後の買い出しの苦労が

   入り混じった顔で


   目をのぞき込んで



   オレの目をのぞき込んで

   こころを 覗き込むように 微笑む



   なにかを確認している   …らしい




   そのように 生きてきたのですね


   …  お母さん






   オレからの返事を待つ

   母のまわりには

   口を空けて   虚空を見つめる お爺さん



   あるいは

   猜疑の目で こちらを睨む 


   お婆さん






   人生は終わっても

   寿命は尽きないものなのだと

   わかる


   
   そして

   ひとは  いつまで  人生なのかなと


   思う。







   オレは


   どこで終わればいいのかなと


   思う。