斎藤精一郎 『「10年不況」 脱却のシナリオ』がヘンだ。

久方ぶりに斎藤先生の著作を読んでいるが…
筆が滑りまくっているが…
先生どうなさったのだろう?
 
表やグラフは全くないし
ああなって、こうなって、こうなります、では経済漫談ではないか。
 
ジャブジャブにあふれ出てくる投資マネーを「二一世紀マネー」と名付けるとの事。
円のキャリートレードで米国に資金があふれかえり今回のバブルを招いたそうだが…
 
つまりそれは 円→ドル 為替で
米政府が準備銀行に買わせた為券で売り為替、
しかも不胎化しなかったってこと?
 
通常、通貨は「発券銀行が債権を買い取った時」と「銀行の与信」で増えるだけです。
為替では増えない(売り手と買い手が交換するだけなので)モノですが…
 
それを言うなら円キャリーに貸し付けた本邦で預金が増えているのですが…
 
とにかく全般に論が荒い。。。。
 
今回の不況は有名な1929年恐慌よりは「1873年の恐慌に近い」そうだが
南北戦争後の米国が金銀本位制から金本位制に舵を切ったこの時期の不況と
今日を比べてみてどうなるというのだ?
フリードマンは「銀の剥落で信用収縮」の一言で片づけていたと思う…)
 
しかも、19世紀の産業金融一般について言及されないのはナゼだ!
 
1940年生まれの斎藤先生も70歳である。
疲れてきたんだろうなあ。