今晩のNY株の読み筋=FOMCは期待通り、次は「財政の崖」解決で年末一段高なるか

ダウは戻り売りをこなしながら底堅いようである。
 
 
■今晩のNY株の読み筋=FOMCは期待通り、次は「財政の崖」解決で年末一段高なるか
18時40分配信 モーニングスター
 
 FRB米連邦準備制度理事会)が12日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で発表した量的緩和策は事前予想通りだった。米国債の短期債売却・長期債購入を行う「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」の年内終了後、13年に入ってから毎月、米国債450億ドルとMBS住宅ローン担保証券)400億ドルの合計850億ドルを購入していくというものだ。また、事実上のゼロ金利政策維持に失業率などの条件を付けたことも特徴だろう。
 
 金融緩和策発表、ダウ工業株30種平均は小幅ながら6営業日ぶりに反落。量的緩和の強化策を発表した直後こそ買いが膨らんだものの、前日までの続伸で約1カ月半ぶりの高値圏に戻したため、目先の利益確定売りに押された。ダウは11月15日終値以降で追加緩和の拡大期待を背景に5.6%上昇しており、10月以降の下落分を急速に取り戻しつつある。材料出尽くし感から売り物が出やすい面はあった。
 
 問題は、このままダウは踊り場を迎えるのか、一気に10月の1万3600ドル台を回復するか否かだろう。FOMCを通過し、話題は大型減税の失効と歳出削減が重なる「財政の崖」と「連邦債務上限問題」一色になる。ただ、株価推移を見る限り両者ともここまで米株式市場にネガティブな影響を与えていない。民主・共和両党の交渉過程は要注意だが、上値抵抗線だった75日移動平均線を突破してきたことから、戻り売りをこなしながら底堅く推移する可能性は高い。
 
 米経済指標は11月PPI、11月小売売上高、新規失業保険申請件数、10月企業在庫、30年債入札。欧州ではユーロ圏財務相会合が開かれる。(宮尾克弥)
 
(日付は現地時間)