株式週間展望、16000当然に超えるそうだ。

株式週間展望=本格上昇相場が始動―ドル高・円安の流れ加速、日経平均、高値更新も通過点
9月13日(土)8時29分配信 モーニングスター
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 東京株式市場に円安を追い風とした上げ潮ムードが高まってきた。すでに10日にはTOPIX(東証株価指数)が1月8日の年初来高値1306.23ポイントを8カ月ぶりに更新。翌11日には、東証1部売買代金が6営業日ぶり活況の目安となる2兆円大台を突破、日経平均株価も8カ月ぶり1万5900円台を回復した。これまでの「静かなる上昇」から、活気を帯びた本格上昇相場が始動する。来週(16-19日)は225寄与率の高い主力外需株をけん引役とし、日経平均は1万5600-1万6300円を予想する。
 
 日経平均の“高値警戒水域”1万5600円台を撃破すると、堰(せき)を切ったように上値指向が急激に強まってきた。上昇圧力の原動力はドル高・円安だ。米利上げ観測を背景に、11日にリーマン・ショック直後の2008年9月25日以来5年11カ月ぶりとなる1ドル=107円台回復とドル高が一気に加速。市場関係者の中には、1ドル=110円突破の円安を予想する向きも多い。
 
 国内要因では日銀の追加金融緩和期待が背景にある。4-6月GDP(国内総生産)の下方修正で、増税後の景気減速の長期化懸念が表面化。補正予算を編成し財政出動に踏み切った場合、日銀も追加金融緩和を断行せざるを得ないという思惑だ。米金利の上昇と円金利の低下による日米金利差拡大がドル高・円安を加速させる最大理由。さらに、円安が貿易赤字拡大に拍車を掛け、それが円売りを生む要因となる連鎖も円安を加速させている一因。この点に関しては18日に発表される貿易収支の動向に注目。
 一方、スコットランドの独立問題もドル高(ポンド安)要因となっている。これは18日にスコットランドで実施される英国からの独立の是非を問う住民投票で、その後の命運が決まる。
 
今回の円安は米国事情によるドル高の要素が強い。その面では、16-17日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)、および17日に行われるイエレンFRB米連邦準備制度理事会)議長の記者会見に市場の関心が集中。利上げに慎重な印象を与える発言を行った場合、円が買い戻されいったん円高に揺り戻される可能性が強い。しかも20-21日に開催されるG20(主要20カ国・地域)財務相中央銀行総裁会議で、米国の早期利上げ説後退が再確認されると急ピッチのドル高にブレーキがかかることも想定しておく必要がある。
 米国の利上げ時期をめぐっては、日々発表される米経済指標を注視しておきたい。来週は、15日の8月鉱工業生産・設備稼働率、18日の8月住宅着工件数に注目。
 地政学リスクに関しては、米オバマ大統領が「イスラム国」への空爆を、イラクに続きシリアに拡大すると表明したが、地上戦にでもならない限り為替・株価に与える影響は限定的との見方が支配的。
 一方、株式需給は良好だ。9月第1週(1-5日)の投資主体別売買動向で、外国人が2097億円と7月第1週(6月30日-7月4日)以来2カ月ぶり大幅買い越しを記録。朝の外資系証券の注文動向で、12日まで8営業日連続買い越していることから推測し、今週(第2週=8-12日)も外国人は買い越したと思われる。
 信託銀行は6週連続で買い越し。年金買いは継続している。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式運用枠20%台への拡大が9月中に正式決定する点も追い風だ。トヨタ自動車 <7203> に代表される出遅れ主力株の買いの原動力となりそうだ。

 日経平均は当面、これまでの上値抵抗線だった1万5600円をボトムに、年初来高値1万6121円(1月8日)を通過点に、13年高値1万6291円(12月30日、取引時間内高値1万6320円)奪回を目指す。物色基調は、外需を中心とした出遅れ主力株が中心となりそう。セクターでは、海運、造船、機械。建設株は長い目で見ると絶好の押し目買い局面。(久下 隆)