「信長はなぜ葬られたのか」   安部龍太郎  幻冬舎新書


以前、さくらさんと 中国大返しできてんだから

信長殺しは 秀吉に決まってんでしょ

明智光秀は実行犯としておいてけぼりにされただけ…



という話をして盛り上がらなかったが     …ははは



古文書から見る

そのあたりの機微の本である





大航海時代のなかの戦国時代である


ポルトガルイスパニアの新兵器・鉄砲
・& 備品の鉛玉・硝石輸入
・輸入業者・千利休など堺衆+キリシタン大名

・鉄砲と抱き合わせのカトリック布教
畿内をを占拠する有力小大名
ゴッドファーザー=洗礼親 (高山右近が筆頭)を中心とした10万兵力

近衛前久や足利昭義など朝廷・幕府勢力


などのせめぎあいのなかで


下剋上で力をつけてきた新大名が

よってたつディグニティ
朝廷からの叙勲に求めた結果

幕末のような尊王状態になり
政局が流動化


明治政府が天皇を千代田城に囲ったように
信長が一気に安土城に清涼殿をつくり
天皇を囲い込もうとすると同時に

安土城内に摠見寺だっけ摠見院だっけをつくって
ご本尊になり
カトリック一神教を否定して見せたあたりで…


とりあえず信長排除の
同床異夢を

朝廷+幕府連合が見た…



という話…




説得力あるなー






秀吉の明入りも

信長時代からの
本邦をもってチャイナを征服させるべしという

カトリック国サイドの戦略と

イエズス会のFC替え

いろいろヤってる途中に
イングランドにスペイン無敵艦隊が大敗…

その他
ドタバタあったようで


… 本邦のチカラ加減だけで
戦国時代は動いたわけではないのだなー




本書の初出は 1999年頃

もう20年近く昔の文章らしい

古文書研究は通説をはるかに超えて進んでいるようで



アベはやめろーニュースと同じく
知らないことを
目の前の言説で判断してはいけないなあとの思い頻りである




信長殺しを
朝廷と近衛が画策した
傍証は

その時期の公家日記 (最重要一次資料)が
ごっそりアレもコレもその時期の部分だけ
削除されている


あるいは、信長を 「誅」 (目上が部下を成敗する) すると
公式・朝廷関係文書にある…



ことからも
無理なく推測されるそうだ。





もうすぐ読み終わるが

西洋流通金融史の本は
今年けっこう読んでいるので


年表をつくって整理した方がいいかもなー




今年は
オランダ・イングランド覇権史の
玉木俊明氏の主要著作は読破するつもりである


玉木氏の京都産業大学はけっこう近所だ


年代整理できたら

教えを請いに行こうかなー




たのしみー